PROFILE
中井 淳史(なかい・あつし)
歴史考古学、歴史文化遺産学。1971年生。1994年京都大学文学部史学科卒業。1996年同大学院文学研究科修士課程修了。1999年同大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。日本学術振興会特別研究員、京都大学文学部研修員を経て、2005〜2014年大手前大学史学研究所PD研究員、同研究員。2014年より兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科教授。日本中世土器研究会代表。主著に『日本中世土師器の研究』(中央公論美術出版、2011)、ほか共著。
平安〜安土桃山時代を中心とした歴史考古学が専門。土師器(かわらけ)と呼ばれる素焼きの土器を題材に、その機能・用途や、ひいては中世の窯業生産のあり方について、文献史料・考古資料双方から研究している。このほか、中世山岳寺院遺跡や中近世石造物の考古学的研究や、日本歴史考古学の形成史に関する研究、器物の価値形成に関する研究もおこなっている。
兵庫県立大学着任後は、歴史考古学から、歴史文化遺産学に看板をかけ替えて、地域にのこる伝承を媒介とした仏教文化や、近世・近代の窯業生産などを題材に、広く過去の事物が、現代にどのような影を落としているのかなど、ひろく「古きモノ」の地域社会における役割や意義の解明に関心を移している。