丹波神池寺の石造物調査

先日、年度替りの合間をぬって、丹波市にある妙高山神池寺の石造物調査をおこないました。かれこれ6、7年ほど、思い出したようにという頻度ですが、境内の遺構分布調査や石造物の悉皆調査をすすめているところです。

しかしながら、当日はあいにくの雨。お手伝いくださった京都大学の院生さんと福知山駅で落ち合い、現地へ到着するまではよい天気だったのですが、作業をはじめた途端にポツポツ雨がふりだし、やがて本降りとなってしまいました。前の職場で圓教寺の調査をしていた頃も、お手伝いに来てくれた学生さんたちに「雨男」疑惑をかけられていましたが、その見立てはまちがいなかった、ということなのでしょうか。。。

大雨で調査は中途で切り上げざるを得ませんでしたが、最低限の仕事はでき、境内にのこる500点余りの石造物の調書作成をなんとか終えることができました。Mさん、ありがとうございました。雨のなか、作業をさせることになってしまってごめんなさい。

(下は別の日に調査した時の写真です)

丹波神池寺は聖武天皇のころに創建されたという寺伝をもち、『太平記』にはここの僧兵が京都まで出てきて六波羅探題の軍勢と戦ったという伝承もあります。かつては「丹波比叡」とまで呼ばれた古刹でした。坊院ごとに墓地がつくられ、寺を支えた俗人の墓塔も多い播磨の圓教寺と比べると、この寺の墓地は一箇所にまとめられ、ほとんどが僧侶の墓塔で構成されています。墓地では中世の遺物も散布しているうえ、マウンド状の遺構らしきものも残存しているところをみると、中世墓地を改変するかたちで近世・近代の墓地が整備されたように推測されます。いろいろ面白そうな材料も得られたので、今後きちんと分析していきたいと考えています。

兵庫県立大学大学院 中井淳史研究室(地域歴史学)

"Nakai Seminar", Atsushi Nakai Lab. Graduate School of Regional Resource Management, The University of Hyogo. Medieval Archaeology, History, Theory for Historical and Cultural Heritage